日本取引所グループの優待について

2023年6月に到着した日本取引所グループの株主優待

100株以上の保有で1,000円相当のQUOカードがもらえる、長期保有での特典がついてどんどんお得になるのがポイント

保有年数額面相当
1年未満1,000
1年以上~2年未満2,000
2年以上~3年未満3,000
3年以上4,000

長期保有して、配当をもらいつつQUOカードの額面がレベルアップしていくのを毎年楽しみにするのが吉である。

優待の感想

自分の買値から考えると減配しなければ3%以上の利回りの上で、優待がどんどんランクアップしていくのはかなり嬉しい。

株主優待という制度は、海外投資家や機関投資家などにとっては不利になる制度であって単元程度の株しか持てない個人投資家を優遇する制度である。

そういった制度を、取引所という大元がやっているのはどうなんだろうと思う気持ちもありつつこのお得には抗えない自分がいる。

個人投資家を優遇するのは正しいと胴元が示している以上、優待を導入していない会社もどんどん優待を導入するのが良いのではないだろうか。

日本独自の制度である株主優待が続くかどうかは、胴元の日本取引所が優待を続けるかによって判断できるかもしれない。

優待を導入するデメリットには単純に配当を配るよりはお金がかかってしまうこと、優待を廃止した時に短期的にガツンと株価が下落する場合が多いということが挙げられる。

優待が廃止されたことで株価が下がる銘柄は、株主優待の金銭価値より株価の下落分の方が値が大きいことがある。その企業の元々のビジネスが良いと思って株を買っている時は、この下落は一時的と見て株を買い入れたりすることの方が得だと考えて買いを入れている。

とはいえ、優待がある方が心理的になぜか嬉しい。このなぜか嬉しいお得な気持ちを優待銘柄は的確に突いてくる。

配当や自社株買い・成長投資に回して欲しい気持ちがないでもない。しかし、このせこい気持ちには抗うことができないのだ。

落ちてるお金を見つけて拾う方が、ギャンブルで勝つより楽しい。そういうタイプの人間に、日本取引所グループは釣り糸を垂らしているのだ。

食いついたら3年は離せない、いや3年離せない人間は優待の廃止まで離せないかもしれない。

優待の廃止

2025年3月31日をもって。JPXが優待を廃止することを発表した

長期保有で優待が積み上がっていく夢が潰えたことも大きなショックだが、上場企業に対して、様々な是正措置(今で言うとPBR向上への圧力など)を取れる立場であるJPXが優待を廃止した意味が大きい。

これから、優待を廃止するトレンドが加速するかと思うとお得な気分で長くじっと持っているスタイルに対して逆風が吹くことは間違いない。

優待単元で株を分散保有していくと、セクターも分散されていくことが多くポートフォリオとしては安定しやすい。さらに言えば、優待がある銘柄は下値が固く高値圏かと思いきやさらに上げていくこともしばしば。

優待によって株価が高値圏に釣り上げられている銘柄もあり、この風潮からどの銘柄に優待廃止が来て株価が下がるのかという疑心暗鬼モードが加速してしまう。

優待廃止が来ないことを祈るか、廃止が来た時にガツンと下がりそうなところまで株価が上がってしまっている銘柄は素直に利確しておいた方が良いのかもしれない。非常に残念である。

件のJPXに関しては、当日発表があった時点で私は売ってしまった。